いつ、どうやって話せばいいんだろう
離婚したことをいつ子供に話せばいいのか。
何をどうやって説明すれば良いのか。
これは本当に難しい問題です。
私も何がベストなのか分からずにインターネットで経験者の体験談を読んだり、本を読んだり、友達の話を聞いたり。
あらゆる情報を集めて子供に真実を言うタイミングを考えていました。
当時息子は小学4年生。
まわりのお友達に比べると随分幼い方でしたが、もう大抵の事は話せば理解できる年齢です。
実は私は偶然にも息子と同じ小学4年生の時に父を病気で亡くしているので、私と同じ年齢で理由は違えど父親との別れを経験させてしまう事に罪悪感と申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
私と同じ寂しさを味わわせてしまうかもしれない。
自分も同じ道を歩いてきただけに、息子がこれから経験するであろう悲しみが想像できてしまい本当に悲しかったです。
結局いつ話をすれば良いかという答えが出せないまま、離婚をしてもしばらくは「お父さんは単身赴任でいないんだよ」という説明をしていました。(実際そのころ単身赴任をしていたので)
素直な息子はその言葉を完全に信じていたようでした。
元旦那の再婚がきっかけになった
このままもう少し様子をみよう。
でももし息子から何か聞かれることがあったら正直に説明しよう。
中途半端ではありましたが、とりあえずそう決めて息子と二人だけの生活をスタートさせました。
そして離婚してから10か月ほどたったころ、元旦那から「再婚します。」というメールが届きました。(はやっ!)
まだ、1年もたっていないのに、私はまだ悲しみの中で苦しんでいるのに。
とてもとてもショックで、仕事中だったにもかかわらず涙がぽろぽろ流れて止まりませんでした。
どこかでやり直せるかもしれない、そんな気持ちがまだあった私にとっては辛い現実でした。
それでも離婚してしまった私にはもうどうすることもできません。
もう他人ですから。
だけど、息子にとってはいつまでもお父さんであり、大事な家族です。
だから再婚するのであれば息子に私たちが離婚したことをきちんと報告して、けじめをつけてほしいとお願いをしました。
いよいよその日がやってきた
そしていよいよ告白の日。
レストランで夕食を食べている時に元旦那さんから息子に話をしてもらいました。
「あのな、もしかして知ってたかもしれないけれど、お父さんとママは離婚したんだよ。」
息子は「えっ?まじで?」とびっくりした様子でしたが、当時すでに単身赴任で家になかなかいなかったお父さんに会えた喜びの方が強かったらしく、あまりピンときていない様子。
離婚してもお父さんと息子は家族であること、会いたいときはいつでも会えることなどを伝えてその日は終わりました。
お父さんと別れた帰り道の車の中で、その日買ってもらったゲームの話ばかりしている息子に、「離婚の意味って分かる?」と聞いてみました。
「お父さんとママが夫婦じゃなくなることでしょ」と。
(理解してるんだな・・・)
でも、そのあとはみるみるうちに怒り出し「どうせ、俺が離婚しないでって言ってもするんでしょ。もういいじゃん、こんな話もうしたくない!」と泣き出してしまいました。
お父さんの前では出せなかった本当の気持ちが、時間が立つにつれて怒りと悲しみとなって噴き出したようでした。
息子はこれから一生「親が離婚した」という事実と向かい合って生きていかなければいけないんだ。
その悲しみと辛さを、私一人で受け止めていけるかな。
大声で泣いている息子を見て、私はとても不安でした。
離婚を伝えてからその後の息子の様子
それからしばらくは息子と「離婚」の話をすることはなかったんですが、しばらくすると二人でいる時に息子の方からいろいろ聞いて来るようになりました。
例えば
「ママとお父さんはどっちが結婚しようって言ったの?」
「プロポーズはなんて言ったの?」
「お父さんとママはあんまり喧嘩しないよね」
「どっちが離婚したいって言ったの?」
という感じで、穏やかにただ知りたいから聞いているようにいろんな事を聞いてきました。
(それは今でも続いていて、私も正直に伝えられることは伝えるようにしています)
そして先日、夏休みに元旦那の家に初めて泊りに行ったんですが(まだ元旦那さんは一人暮らしでした)、休み明けの学校の発表会で「夏休みはお父さんのうちに泊りにいきましたっ!って言っちゃったよ」と大笑いしながら報告してくれました。
「これってみんなに離婚したことばれちゃったんじゃねえ?はははっ(口が悪くてすみません!)」
それまでは離婚したことはなるべく周囲には伏せておいた方が良いと思って、みんなに言う必要ないよと話していたのですが、息子の方から「ねぇ、なんで離婚の事言っちゃいけないの?別によくねえ?(すいません、口悪くて(笑))と言ってきたんです。
何だかそれを聞いて、少し肩の荷が下りたような気がしました。
もちろん辛い思いをさせている事もあると思いますが、彼なりに事実を少しずつ受け止めてくれているような気がしたからです。
そして、彼の変化を感じてから私自身も自分のこれからの人生を随分前向きに考えられるようになりました。
息子に本当の事を言えなかったことは、想像以上に自分自身をも苦しめていたんだと思います。
そのことがあってからようやく息子と二人でがんばっていこうという覚悟がしっかりできたような気がします。
子供に離婚の話をするタイミングはとても難しいし、正解はないと思います。
ただ私が感じたのは、伝える側の両親の気持ちが安定していないと、子供の気持ちを受け止めてあげる事はできないということ。
特にお母さんの気持ちが落ち着いている事。
もし、まだ離婚の話をするのが辛かったり涙が出てしまったりするのであれば、伝える側の心の準備ができていないという事なんだと思います。
そんな親の姿を見てしまったら、余計に不安にさせてしまいそうですよね。
「何があっても大丈夫だよ」とどーんと構えてあげられる覚悟がこちらにできた時が、一番良いタイミングなのかもしれないと思っています。